「クリフォスの右腕」が出来るまで。
現段階の小説「クリフォスの右腕」が出来るまでには、実は紆余曲折があります。
考えうるだけで5稿あり、段々と漫画版から小説へと変化していってます。
過去の初期段階の主人公・カイのイラストを交えつつ紹介していきたいと思います^^
【第1稿】 この話を考えたのは2002年でした。
最初から決定していたのはカイが黒髪・黒目であること、いくつもの世界を回ること、破壊の力を右腕に秘めていることでした。
忌み嫌われる存在で、そんな中でも誰かに理解してもらうと次の世界に旅立っていく、というのが大本のスジ。
カイの羽織っているマントはこの時点では右腕の力を抑制する力を持っていたりとか、
右腕の模様と同じ彫り込みがされている赤いピアスをしているとか、装飾品にこだわった跡が。。。
この段階では右腕の痣は未定でした。
ボツになった設定としては、世界を回るごとにカイの姿が変わる、ということ。→つまり女になったり子供になったり。。。
一人称が「私」なのはその名残なのです(汗)
髪の毛がツンツン・ピンピン。より暗いイメージ^^;
目もちょっと伏目がちでした。
【第2稿】 この段階での世界観が決定してきた頃です。
基本的には今と同じ。いくつもの世界が互いを知らずに点在していて、カイが同じような方法で巡って行きます。
ただし、この段階ではかなりファンタジー要素が強く、海中都市だとか南洋諸島だとかが舞台となっていました。
カイはそれぞれの世界に語り継がれている忌まわしい伝説の忌み嫌われる存在として登場する為、
何もしていないのに右腕の痣のみで避けられてしまう、という非常にかわいそうな時代でした(汗)
何故そんな存在にされるのかというと、バラバラになっている世界をどこかで繋ぎとめるために神的存在(現段階では
声の主に当たる人物)が世界共通の敵を作り出したため、という設定ゆえでした。
ちなみに戦争要素は全くなし。理解してもらうと別れというのもそのままです。
【第3稿】 カイにライバルが登場します。少年漫画的要素を取り入れた感じです。
カイと同じように世界を巡る存在が現れ、悪の集団の親玉っぽい人物・アルハザードが出てきます。
アルハザードは自分の理想の世界を創るために、世界を回って気に入った文化を盗むという存在でした。
アルハザードは本名ではなく、世界を移動する手段として「アルハザードのランプ」というものを持っているためそう呼ばれてます。
この二人のライバル的やりとりも今思えばおいしかったような気が…
カイは髪の毛が柔らかい感じになりました^^
でも目とピアスは継続。
設定年齢に一番忠実だったかも。。。
この時でさえ右腕の模様は未定のままでした。
アルハザードは金髪でオッドアイ。
カイとは対照的なドハデ男にしたかったと見えます^^;
【第4稿】 カイの設定は3稿と変わりませんが、アルハザードの設定が変わりました。
アルハザードがただの悪キャラではなく、カイと相対的に生まれた存在になります。
神的存在があまりにもカイの忌み嫌われる運命を酷だと思い、知られざる世界共通の敵としてアルハザードを生み出します。
つまり各世界でのカイへの誤解が解けやすくなった感じです。
最終話でカイと運命を共にするといういい人な面も持ち合わせるようになりました。
ちなみに、この時にアルハザードの陰謀によってラナとカイが思いがけず再会するという話も考えていましたが、
アルハザード自体がボツになったので、話もあえなく消滅。
【第5稿】 現在の小説版「クリフォスの右腕」です。
4稿から5稿に入るまでに2年間のブランクがあります。
大学で戦争と平和の事を勉強し、それを基にした話を作りたいと思って再開しました。
漫画的な要素は全て削除。ピアスやマントの設定、アルハザードは全てボツにしました。
また、右腕の痣がクリフォスになり、正式にタイトルが付いたのも5稿になってからです^^;
5稿に関してはこれ以上詳しくはいえません。本編をお楽しみください´∀`
現在のカイ。
以前より目がパッチリしています。
表情も柔らかくなり、微笑むようにもなりました。
今ならおちびなカイも抵抗なく描けます(笑)
【オマケ】 初期のラナ、現在のラナ
初期設定のラナは南洋諸島の少女だったため、
花飾りやら金髪やら。。。
ファンタジー要素の強いデザインでした。
現在のラナはそれよりもよりボーイッシュに。
森の中に住む民族として茶色を基調としたデザイン。
なんだかんだいってこっちのラナのほうが好き。